​2m接道物件の必ず確認すべきポイント

2025年06月01日

接道

〜不動産売買で失敗しないための基礎知識〜

 

土地や戸建て住宅の購入を検討されている方の中には、価格が相場よりも安めに設定されている「2m接道」の物件を目にしたことがあるかもしれません。

 

しかし、不動産売買において「接道義務(建築基準法第43条)」は非常に重要なポイントであり、安易に購入を決めてしまうと、将来的に建て替え不可・資産価値低下・災害時のリスク増加といったトラブルに繋がる可能性があります。

 

今回は、不動産会社の立場から、「2m接道の物件を購入する際の注意点」や「接道義務を満たすための条件」「知っておきたい建築制限」などを詳しく解説いたします。

 

( そもそも「接道義務」とは?) 

 

建築基準法では、建物を建てるためには幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならないという「接道義務」が定められています。
この接道義務を満たしていない土地には原則として建物を建てることができません

この「2m」というのは、土地が道路に接している間口の長さを指します。つまり、たとえ建築基準法上の道路に面していても、その幅が2m未満だと建築不可になる恐れがあるのです。

 

「2m接道の土地」は建築可能?

 

→ 実際にはギリギリのケースが多い

 

「この土地は2m接道だから大丈夫」と思っていても、以下の点に注意が必要です:

・測量誤差で実際は2mを下回っていた

・隣地の塀や構造物で実質的に通行が困難

 

したがって、売買前には公図や測量図、現地確認、役所への事前相談が必須です。

なぜ注意が必要? 2m接道物件の3つのリスク

 

① 建て替え時に「再建築不可」とされる場合がある

現時点で建物があっても、将来建て替える際に建築許可が下りない可能性があります。理由は、「法改正」や「道路の認定取り消し」、「実測値で2mを下回る」ことなどが挙げられます。

 

② 車両進入が困難でライフラインにも影響

2mの通路は、普通乗用車の幅に対して極めて狭く、駐車場として利用できないことが多いです。また、消防車・救急車が近づけないといったケースもあり、災害時の安全性に大きく関わります。

 

③ 資産価値が下がりやすく、売却時に不利

買主側が敬遠しやすい「接道条件が厳しい土地」は、再販売が難しく価格が下落しやすいという傾向にあります。特に住宅ローン審査や相続評価にも影響が出る場合があります。

購入前に必ず確認すべきポイント

・土地の有効接道長が2m以上あるかの実測

・接道する道路が建築基準法上の道路かどうか

・建築指導課・都市計画課での法的確認

・近隣住民や地権者との境界確定や使用同意の有無

・現地で車両の通行・駐車の可能性を確認

 

(「旗竿地」との違いにも注意)

 

「2m接道」の土地の多くは、「旗竿地(旗状敷地)」と呼ばれる形状になっています。これは竿のように細長い通路部分と、奥に広がる宅地部分から成る土地です。

見た目や形状の問題に加え、日当たりや通風の悪さ、プライバシー確保の困難さなども、ライフスタイルに影響します。

 

【 まとめ:2m接道物件は「安い」だけで飛びつくと危険 】

2mの接道物件は、価格だけを見ると魅力的に映ることがありますが、購入後の制限やトラブルを避けるためにも、必ず専門家の助言を得て、現地・法務の両面から十分な確認を行うことが大切です。

当社では、接道条件に不安がある物件のご相談・役所調査代行・測量士との連携なども対応しております。
物件選びでお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。