解体は安さより“リスク管理”が重要

公開日:2025年11月05日

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【 建物解体は「見積り金額の安さ」ではなく「売却成功の確度」で選ぶ時代へ 】

— おださが不動産が本気でお伝えしたい“解体前コンサル”の必要性 —

 

不動産の売却相談を受けていると「建物を解体して更地で売り出した方が良いですか?」という質問を多くいただきます。実際、老朽化した建物付きより、更地の方が買主様の第一印象が良い場合が多く、結果として問い合わせ数が増えることも確かにあります。

販売前に解体をするケースと買主が見つかってから解体をするケース、

現況のままで買主に引渡しを行い買主自身で解体を行うケースがあります。

 

これは、状況によりご提案が違います。

相談せずに解体を行ってしまい、失敗するケースも多々あります。

 

解体は「ただ壊すだけ」ではありません。

境界、残置物、排水管の確認、近隣説明、アスベスト、重機搬入動線、産廃処理先の確認…
これらを“正確に”整理できるかで、最終的な価格もスケジュールも変わります。

 

つまり、建物解体とは、不動産売却プロジェクトの中にある「重要な分岐点」です。

1,当社では建物解体の“前段階”からお手伝いできます

・どこまで解体するのが適切か

・解体後に買い手がもっと集まりやすい仕様か

・予算感と売却見込み価格のバランスは合っているか

・売却のタイミングに合わせて工期調整が必要か

 

ここを見極めるのが、不動産会社の役目です。

解体だけ先行し、のちに売却で苦労する例は本当に多いです。

 

当社は、ただ「解体業者を紹介する」のではなく、
■ 売却戦略 → 解体計画 → 工期調整 → 売出準備
まで一気通貫でサポートします。

2,建物解体業者を選ぶ時に見なければいけない4つの本質

1)見積書の「単価」の透明度
● 本体解体(木造/鉄骨/RCなど構造別の単価)
● 基礎撤去(深さ、面積、材質:布基礎、ベタ基礎など)
● 重機搬入費(狭小地だと小型重機で作業=日数増=費用増)
● 産業廃棄物(数量×単価、運搬費、処分費まで内訳要)
● 外構、土間コンクリ、擁壁、カーポートなど付帯撤去
● 残置物(立米単価、家電は家電リサイクル対象もあり)
良い業者は最初から「数値」で出します。

 

一式で安く見せる業者は、着工後に
「これは別途でした」で金額が膨れがちです。
ここを見抜けるかが、追加費用リスクを大幅に下げます。

 

2)近隣説明(コミュニケーション力)

● 工期と作業スケジュール(何日やるのか、何時開始か)
● 騒音対策(重機の種類、打撃音の出る時間帯)
● 粉じん対策(水撒き、養生、気象条件での中断判断もあるか)
● 道路使用の際の警備員手配(有無)
● 名刺と説明書を配れるか(説明能力が低い業者はここ弱い)
解体は「近隣クレーム=即ストップ」につながる業務です。
クレームで工期遅延→売却開始の遅れ→市場の“旬”を逃す。
売却前の解体こそ、近隣への配慮は最重要です。

 

3)掘って出るものの想定力
(この項目は業者の経験で差が出る)

● 昔の家の下にあった旧基礎や瓦の埋設物
● 古い排水管の残骸
● 昭和時代の外構の埋め込み石材
● 地下に埋まったブロックやレンガの塊
これらは「見えない」ので、金額に差が出ます。

 

4)アスベストを前提に見積れるか
● アスベスト調査(2023年から義務化)
● アスベスト除去(飛散レベルの分類で費用が大幅に変動)
● アスベスト産廃処理(特別管理産廃のルート確保)

 

悪い業者ほど
「アスベストは別途で。調査してから追加で出します」
と“安値提示の餌”にします。

 

しかし実際は、アスベスト関連は
1件で100万~200万円以上変わることもある重大項目です。
この部分を最初から“セット”で数字化できる業者が本物です。

3)実際に起きる、よくあるトラブル例5つ

1)最初の見積りが安すぎて、着工後に追加費用が発生した例
最初に「80万円でできます」と安く提示された業者に依頼したところ、

着工後に「基礎が深い」「土間コンクリが多い」「産廃の量が増えた」と次々と理由をつけられ、

結果250万円まで費用が跳ね上がったケースがあります。

 

安く見せるために「一式」で出す見積りだったことが原因。
内訳が細かい見積りで選んでいれば防げた典型例です。

 

2)隣地のブロック塀を壊してしまい賠償問題になった例
重機で解体中に、隣の敷地のブロック塀を誤って崩してしまい、修復費用を全額請求されたケース。

結局、売主と業者で揉め、販売開始が1ヶ月遅れました。

 

事前の境界確認と、保険加入確認が甘かったことが原因。
解体は“近隣との関係”に直結するので、ここが本当に重要です。

 

3)騒音トラブルで役所から指導が入り、工事が一時停止になった例
騒音への苦情が複数入り、役所から指導が入り、一時工事が止まったケースがあります。
結果、スケジュールがズレて販売開始が遅れた上に、近隣住民の感情も悪化し、売却時の内覧にも影響しました。
事前の近隣説明と騒音の配慮が足りない業者だと起きる事例です。

 

4)残置物の量が想定より多く、産廃費が大幅に増えた例
室内外の残置物を“ざっくり”で見積りしていた業者が、着工後に「やっぱり処分費が増えた」と言い出した例。
特に家電や混合廃棄物は処分のルールが厳しいため、重量や容積が少し変わると費用が跳ね上がります。
残置物は「立米単価」で事前に“数量化”しておくことが防止策になります。

 

5)アスベスト調査をしておらず、開始直前でやり直し+追加200万円になった例
アスベストの事前調査をせずに話を進めていたため、役所の届出段階で止まり、

慌てて調査→除去→処分と追加作業が発生し、合計400万円以上の追加になったケースです。

 

2023年からアスベスト調査は義務化されており、本来“最初”に調査すべき項目です。
これを先に数字に組み込める業者かどうかで、費用の安定度は全く違います。

 

上記は一部ですが、建物解体業はトラブルが多い業界でもあります。

4)どういった業者を選ぶべきか

結論として「安い業者」ではなく

「追加費用が出にくい仕組み」+「追加費用の可能性を事前説明できる業者」

これを選ぶべきです。

 

解体は“地中の埋設物”など、どうしても予測しきれない部分があります。
だから本当に良い業者は

「追加費用ゼロです」

ではなく、

「追加費用が出るとしたら、こういうケースです」

と、先に説明してくれます。

 

では、一般の方が見極めやすい判断基準です。

● 最初の見積りに「数量と単価」が書いてある
数字で内訳が出ていれば、着工後の追加費用が膨らみにくい。

 

● 見積提出の前に“現地”をしっかり見る
外構、土間、ブロック、残置物、前面道路の幅などの確認が丁寧か。

 

● 売却スケジュールを理解している
解体は売却前の重要工程。
不動産会社と工程管理できる業者は、スムーズで安全。

 

● アスベスト調査を最初から見積りに入れる
ここを別扱いにする業者は、後から高額になるリスクが高い。

そしてさらにもう1つ大切なのが

 

●「どういう場合に追加費用が出る可能性があるか」を事前に説明してくれる

 

●「今回の物件だとこういう追加リスクがあります」と“個別”に教えてくれる

という点。

 

解体は現場ごとに条件が違います。
だから“個別リスク”を事前に説明できる業者ほど信頼できます。

5)最近の建物解体を巡る犯罪・大きな問題事例

近年、建物解体業界を巡っては、法整備が進んだにも関わらず
「安さだけで仕事を取る業者」が、結果として違法行為を行ってしまうケースが問題視されています。
例えば、下記のような事例は“全国どこでも”起きています。

 

● 山林や河川に廃材を不法投棄する
産業廃棄物の処理費を節約するために、山に運び込み不法投棄するケース。
もし依頼した業者が摘発されると、所有者にも調査が入る可能性があります。

処分した荷物から所有者が特定されることがあります。

「処理ルートが明確な業者」を選ぶ理由はここにあります。

 

● 他の解体現場の廃材を、別現場の地面に埋めてしまう
本来は産廃として処分すべきコンクリ片やブロックを、別現場の掘削部分に“埋め戻し”してしまう手口。
見た目は“何も問題なかった”ように見えるため、素人目には分かりません。
しかし後日、土地調査で判明すれば、土地価値に影響します。

 

● アスベストを「含まれていない」と嘘をつき、通常の廃棄で処分する
アスベストは正しい手順で処分すると高額です。
そのため、調査もせず「アスベストは出ません」と断言し、通常廃棄で処分する業者も存在します。
これが発覚すると、行政処分の対象になります。

 

この3つは、すべて

「最初に安く見せる」
「後のリスクを説明しない」

という体質の業者の行動です。

 

だからこそ、
「安い=良い」ではなく
“透明性がある”業者かどうかが大事です。

)総論

建物解体とは「ただ建物を壊す作業」ではありません。
不動産売却のスタート地点であり、売主様の利益を左右する“最重要の前工程”です。
ここを誤ると、売却開始が遅れ、相場の波に乗り遅れ、結果として売却価格も下がることがあります。

 

そして、解体は現場ごとに条件が違います。
だから本当に良い業者は「追加が出ません」とは言いません。
その代わりに「追加が出るとしたら、こういう場合です」と個別に説明してくれます。

 

つまり、売主様の利益を守る解体業者とは
「透明性がある業者」
そして
「最初からリスクを共有してくれる業者」
です。

今の時代、解体は“価格だけ”で比較するものではありません。
金額が安くても、途中で追加、トラブル、工期遅延が起きれば、
それは結果的に「高くつく解体」になります。

 

当社は、信頼して任せられる解体業者と連携しています。
現地確認、見積りサポート、近隣対応のフォロー、解体完了後の販売準備まで、
売却のストーリー全体をひとつの“プロジェクト”として管理できます。

 

建物解体は「壊す」ための作業ではなく
「売れる状態を作る」ための前工程です。

 

売却益を守るために、透明性があり、誠実で、正しい説明ができる業者を選ぶ。

この1点が、最終的な売却成功の確率を大きく左右します。

 

解体をご検討されている場合には、まず当社へご相談ください。
“壊す前”に相談していただくことで、無駄な追加費用やトラブルを防げます。
そして売却のパフォーマンスを最大化できるルートを、一緒に組み立てていきます。

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