リボ払いが住宅ローンに影響とは?

公開日:2025年10月14日

リボ払いが住宅ローンに与える影響

【 リボ払いが住宅ローンに影響するってどういうこと?】

 

◆ はじめに

「リボ払い(リボルビング払い)」という言葉、なんとなく便利そうだと感じて使っている方も多いかもしれません。
ですが実はこのリボ払い、住宅ローンを組むときに思わぬ“落とし穴”になることがあるのです。

 

住宅ローンの審査では、単に「年収がいくらあるか」「勤務先がどこか」といった表面的な情報だけではなく、過去の借入履歴や支払い状況が細かくチェックされます。
このときに「リボ払いの利用状況」が審査担当者の目に留まり、借入可能額が減ったり、審査に落ちる要因になったりするケースも少なくありません。

 

この記事では、

・リボ払いの仕組み

・なぜ住宅ローンに影響するのか

・実際にどういう点がマイナスになるのか

対策として何をすべきか

を、初めての方にもわかるように丁寧に解説します。

◆ リボ払いとは?「毎月少額=安心」とは限らない

リボ払いとは、クレジットカードでの支払い金額を「一定額ずつ」返していく仕組みです。
たとえば、10万円・20万円と使っても、毎月1万円や2万円など、決まった金額で支払っていくことができます。

 

一見、家計管理がしやすい便利な仕組みのように思えますが、実際には“借金を先送りしているだけ”の状態です。支払いきれなかった残額は「リボ残高」として翌月以降に回り、そこに年率15%前後の高い利息(手数料)が発生します。

 

たとえば、

50万円のリボ残高を年率15%で返す場合
→ 年間で約7.5万円もの利息を支払うことになります。

 

つまり、利用残高が減らない・完済が見えにくい仕組みなのです。

◆ 住宅ローン審査の仕組みを理解しよう

住宅ローンの審査では、主に以下のような項目が総合的にチェックされます。

 

1,年収・勤務先・勤続年数

2,他の借入状況(車ローン・カードローン・リボなど)

3,信用情報(延滞や事故情報があるか)

4,返済比率(年収に対して返済に充てる割合)

 

つまり、住宅ローン審査は「どれだけ収入があるか」よりも、
「安定して返済できる体制が整っているか」を重視しているのです。

◆ なぜリボ払いが住宅ローンに影響するのか?

① リボ残高は「借金」として計算される

リボ払いの残高は、カード会社に対する“借入金”として扱われます。
そのため、住宅ローンを申し込む際には「リボ残高も含めた全借入額」が金融機関に伝わります。

 

住宅ローン審査では「返済比率」が重要で、これは

年間返済額 ÷ 年収 × 100
で算出されます。

 

例えば年収500万円の方で、すでにリボ払いで月1万円(年間12万円)を返済している場合、
その分だけ「年間返済額」が増え、借入可能額が減少する計算になります。

たった数万円のリボ残高でも、ローン枠に直接響くことがあるのです。

 

② 利用残高が多いと「返済能力に不安あり」と判断される

リボ払いは、便利である反面「支払いを先延ばしにしている」性質があります。

 

そのため、残高が多い状態が続いていると、

「毎月の支出をコントロールできていないのでは?」
「計画的な返済ができない人かもしれない」
と判断されてしまう可能性があります。

 

金融機関の審査担当者は、“金額”よりも“習慣”を見ています。
つまり、「リボを使い続けている=生活がギリギリ」という印象を与えやすいのです。

 

③ 延滞があると「信用情報」に傷がつく

リボ払いで支払いを1日でも遅らせると、その情報は「延滞」として信用情報機関(CIC・JICC)に登録されます。
延滞情報は最長で
5年間
残り、その間はほとんどの金融機関で審査が厳しくなります。

 

また、「延滞がないかどうか」は住宅ローン審査で最も重要視されるポイントのひとつです。
1回のうっかりミスでも、「返済管理が甘い」と判断されることもあるため注意が必要です。

 

④ 「リボ枠の存在」だけでもマイナス評価になる場合

意外な落とし穴として、「リボ設定があるだけ」でマイナスになるケースもあります。
利用していなくても、カードに「リボ枠」が設定されていれば、
「将来借金が増えるリスクがある」と見られる可能性があるのです。

 

特に、複数のカードで自動リボ設定が残っている方は要注意です。
金融機関によっては「潜在的な借入枠」としてカウントするところもあります。

◆ 審査に悪影響を与えるケースの実例

✅ ケース1:リボ残高20万円で審査落ち

会社員のAさん(年収450万円)は、普段からカードで買い物をしており、リボ残高が約20万円ありました。
延滞は一度もなく、「この程度なら問題ないだろう」と考えて住宅ローンに申し込みましたが、結果は審査落ち。
理由は「既存借入の存在」でした。
わずか20万円のリボ残高でも、年収に対して返済比率が上がったことで、他の借入(車のローン)と合わせて基準を超えてしまったのです。

 

✅ ケース2:完済済みなのにリボ枠が残っていた

Bさんは、過去にリボ払いを完済済みでしたが、カード会社にリボ設定が残ったままでした。
審査時、信用情報に「リボ契約中」と表示され、
「常に借金可能な状態」と見られて一度否決。
リボ契約を正式に解除し、再申し込みしたところ無事に承認されました。

→ 「使っていなくても、契約が残っているだけで影響する」のです。

◆ 対策①:リボ残高は完済しておく

住宅ローンを申し込む前には、まずリボ残高をゼロにするのが最善策です。
完済後、CICなどに情報が反映されるまで1~2か月かかる場合があるため、早めに整理しておくことが重要です。

完済できない場合でも、「一部でも減らす努力」を見せることで、審査時の印象は改善されます。

◆ 対策②:自動リボ設定を解除する

カードによっては、利用時に自動的にリボになる設定(いわゆる“自動リボ”)が付いていることがあります。
知らないうちにリボ残高が積み上がっている方も多いため、
事前にカード会社のアプリやサイトから「自動リボを解除」しておきましょう。

◆ 対策③:信用情報を事前に開示・確認する

CIC・JICCなどでは、本人確認をすれば自分の信用情報を開示できます。
(CICの場合、スマートフォンから即日確認可能・1,000円前後の費用)

 

住宅ローン申込の前に、

1,リボ契約の有無

2,延滞履歴

3,クレジット利用残高
を確認しておくことで、万一問題があっても申込前に対策できるのです。

◆ おださが不動産からのアドバイス

住宅ローンの審査では、「どの金融機関を選ぶか」や「金利が何%か」よりも、
まず“審査に通る状態を作ること”が最も重要です。

この点を誤解されている方が非常に多く、リボ払いがその“見えない足かせ”になっているケースが目立ちます。

 

▶ まずは「現状を正確に把握」することから始めましょう

おださが不動産では、住宅購入を検討されているお客様に対して、
まず初めに現在の借入状況や信用情報の確認をおすすめしています。

 

「クレジットカードの支払いをリボにしていたけど、金額がいくら残っているのか分からない」
「リボは使っていないつもりだったけど、実は自動リボ設定が残っていた」

 

といったご相談が実際に非常に多く寄せられます。

 

特に近年は、携帯電話本体の分割払いサブスクの後払いサービスも信用情報に登録されるため、
本人が気づかないうちに「複数の小さな借入」が積み重なっていることも少なくありません。

まずは「どのカードに、いくらのリボ残高があるか」「延滞履歴がないか」を明確にし、
住宅ローンに支障が出る要素を一つずつ整理することから始めましょう。

 

▶ リボ残高は「完済 or 返済計画」を立てるだけでも印象が変わる

金融機関の審査担当者は、「現在リボがある=即NG」と判断するわけではありません。

重要なのは、“どういう姿勢で整理しているか”です。

 

たとえば、

・リボ残高が10万円あっても「翌月に完済予定」である

・既に一括返済の申込みをしている

・残高を減らすための繰上げ返済計画がある

といった“整理に向けた動き”が確認できれば、評価がプラスに転じる場合もあります。

 

当社ではお客様のリボ残高をもとに、
「今の年収・返済比率でどの金融機関なら通りやすいか」をシミュレーションし、
必要に応じて完済のタイミングや申込時期の調整を具体的にご提案しています。

 

▶ 「信用情報開示の見方」も一緒にサポート

CICやJICCの開示書を取り寄せても、初めて見る方にはなかなか難しく感じられるものです。

 

「A」「$」「P」などの記号が並び、どれが延滞を意味しているのか、
リボ残高がどの欄なのか、一見して分かりづらい表記になっています。

 

おださが不動産では、
お客様が開示された信用情報をお持ちいただければ、
専門スタッフが一緒に内容を確認し、
「審査に影響する可能性がある部分」を丁寧にご説明します。

※もちろん、開示情報を当社が保管することはなく、あくまでお客様ご自身の開示資料をもとに口頭アドバイスを行います。

 

▶ 銀行によって「リボに対する見方」が異なります

同じリボ残高でも、銀行によって判断が違います。

・A銀行:リボ残高も含めて借入金として厳格に計算

・B銀行:完済予定があれば、返済比率から除外可

・C銀行:リボ残高10万円未満であれば考慮しない

このように、金融機関ごとに審査の基準や柔軟性が異なります。

 

▶ 住宅ローンは“事前準備で9割が決まる”

リボ残高やカードローンの整理は、申込直前では間に合わないケースもあります。
金融機関の審査では、信用情報が更新されるまでに1〜2か月のタイムラグがあるためです。

 

そのため、住宅購入を検討されている方には、
・「物件探しの前にローン整理」
・「申込の2か月前までに完済・解除」
を強くおすすめしています。

 

おださが不動産では、
資金計画・ローン整理・審査申込の順番をスケジュールに落とし込み、
お客様が無理なく最良の状態で審査を通過できるようにサポートいたします。

 

▶ お客様一人ひとりに合わせた「ローン戦略」づくり

住宅ローン審査は、単なる数字の比較ではなく、
「どう見せるか」「どの順序で申し込むか」も非常に大切です。

たとえば、

・リボ払いを完済してからCICに反映される時期を見計らう

・クレジット利用を一時的に減らす

・銀行Aでは難しいが、信用情報を見て銀行Bに切り替える

といった戦略的な動きが結果を左右します。

 

おださが不動産では、単に「物件を紹介する」だけでなく、
住宅ローンの“通し方”そのものを設計する会社として、
お客様の状況に合わせた最適な進め方をご提案しています。

 

▶ ご相談はお気軽に

・「リボ払いを利用しているけれど、どのくらい影響があるのか分からない」
・「完済したつもりだけど、審査で不利にならないか不安」

そんな方こそ、まずはお気軽にご相談ください。

 

おださが不動産では、リボ払い・カードローン・自動車ローンなど、
お客様一人ひとりの現状をもとに最適なローン戦略と金融機関選定を行い、
“借りられる”ではなく“安心して返せる”住宅ローンの実現をサポートいたします。